AnyCampus 西船橋

定着面談の役割と就労支援事業所の取り組み

~働き続けるために、就職後こそ大切な支援~

就労移行支援事業所の役割は、単に「就職までの支援」にとどまりません。むしろ、就職後の“定着”をどのように支えるか こそが、長期的な社会参加や本人の自立に直結する重要なフェーズとなります。

その中でも中心的な支援となるのが「定着面談」です。

■ 定着支援の意義

障がいのある方が職場において長く安定して働くためには、職場環境との相性や周囲とのコミュニケーション、体調の安定など、さまざまな要素が複雑に絡み合います。
一見、順調に見える就労生活の中にも、言語化されにくい不安や葛藤 が存在することは少なくありません。

就労移行支援事業所が第三者として間に入ることで、こうした“見えにくい問題”を早期に発見・対応できる可能性が高まります。

■ 定着面談の具体的な内容

エニキャンでは、就職後6か月間、月1回を目安に定着面談を実施しています。面談では以下のようなテーマについて対話を重ねます。

  • 業務内容や量が適切かどうか
  • 対人関係でのストレスや配慮の必要性
  • 通勤・生活リズムの変化
  • 本人の自己理解や対処スキルの変化
  • 今後のキャリアの希望や課題

このプロセスは、単に困りごとを「聴く」だけでなく、本人が自分の状態を客観的に捉え、必要な行動を選べるようになるための支援でもあります。

■ 企業との連携も鍵

定着支援では、企業との連携も重要です。必要に応じて、職場の上司や人事担当者と面談を行い、本人の特性や強みをどう活かすか、どのような工夫や配慮が効果的かを共有します。

例えば、業務の優先順位の整理や、報連相の頻度・方法など、ちょっとした環境調整が、働きやすさを大きく変えることもあります。

■ 定着支援は「共に歩む成長のプロセス」

定着面談の本質は、支援者と本人、そして企業が「三者で対話する機会を持つ」ことにあります。
働く中で起こるさまざまな出来事を、ただの「問題」としてではなく、成長の材料としてとらえ直す力を、私たちは定着支援を通じて育んでいきたいと考えています。

■ おわりに

障がい者雇用の現場では、「採用」よりも「定着」が難しいと言われることがあります。だからこそ、就職後の継続的なフォロー体制が不可欠です。エニキャンは、利用者の方が安定して働き続けられるよう、今後も実践的かつ継続的な支援を行ってまいります。

今後も、現場での実践を踏まえた支援のあり方をコラムとして発信してまいります。引き続きご覧いただけますと幸いです。

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